買ってよかった

大人になって藤子・F・不二雄のSF短編にどハマりした話|「すこし・ふしぎ」の世界

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この2ヶ月、私の購入履歴は藤子・F・不二雄一色です

告白します。ここ2ヶ月ほどで、藤子・F・不二雄大全集の**「SF・異色短編」1〜4巻、「少年SF短編」1〜3巻、さらに「モジャ公」と「21エモン」**を立て続けに買いました。合計するとなかなかの散財ですが、後悔は1ミリもありません。

きっかけは、あの有名な**「ミノタウロスの皿」**でした。タイトルだけはずっと知っていて、「ドラえもんの先生が描いた大人向けの短編があるらしい」くらいの認識だったのですが、読み終えた瞬間に確信しました。これは全部読まないといけないやつだ、と。翌週には大全集をまとめて注文していました。

「SF=すこし・ふしぎ」のほんとうの意味

F先生は自作のSFを**「サイエンス・フィクション」ではなく「すこし・ふしぎ」**だと言っていました。読む前は洒落たキャッチコピーだと思っていたのですが、短編を読み重ねた今は、これ以上正確な自作解説はないと感じています。

宇宙戦争も超能力バトルも(基本的には)出てきません。舞台はどこにでもある日常です。そこに「すこし」だけふしぎな要素がひとつ混ざる。たったそれだけで、見慣れた日常がぞっとするほど別の顔を見せる。そして読後、こちらの現実の見え方まで少し変わってしまう。この切れ味と余韻は、短編という形式だからこそだと思います。

具体的な中身はどれもネタバレになるので書きませんが、児童漫画のあの温かい絵柄のまま、人間のエゴや文明の危うさを平然と突きつけてくるギャップは、大人になった今読むからこそ刺さります。

SF・異色短編 1(藤子・F・不二雄大全集) 「ミノタウロスの皿」収録の1巻から。私はこの1冊で残り3巻を即注文しました

短編だけじゃない。「モジャ公」と「21エモン」も

短編で勢いがついた私は、そのまま長編SFの**「モジャ公」と「21エモン」**にも手を出しました。どちらも子ども向けの宇宙冒険もの……のはずなのに、読み進めると「これ、本当に児童誌に載っていたのか」と二度見するようなエピソードが平気で混ざっています。F先生のSF成分を浴びたい方は、短編集とあわせてこの2作もぜひ。

モジャ公(藤子・F・不二雄大全集) かわいい絵柄にだまされてはいけない宇宙冒険譚。大人が読むと震えます

トキワ荘の熱にもあてられています

さらに現在、藤子不二雄Ⓐ先生の**「まんが道」と「愛…しりそめし頃に…」**も並行して読んでいます。F先生とⒶ先生、二人の少年が漫画家を志して上京し、トキワ荘で仲間たちと切磋琢磨する自伝的作品です。

短編で「この人は天才だ」と打ちのめされた直後に、その天才が徹夜で原稿を落としかけて泣いている青春時代を読む。この往復が、もう、たまりません。作品と作者の人生を行き来しながら読む楽しさを、この歳になって初めて知りました。

まんが道(藤子不二雄Ⓐ) F先生の短編とセットで読むと効果が倍増する、トキワ荘青春記の金字塔です

まとめ:「ドラえもんの人」で止まっているのはもったいない

私と同じように、藤子・F・不二雄=ドラえもんとキテレツの人、という認識で止まっている大人は多いと思います。断言しますが、それは本当にもったいない。日常が「すこし」ズレるだけでこんなに怖くて面白い物語が生まれるのかと、40年以上前の短編に現在進行形で驚かされています。

まずは「SF・異色短編」の1巻からどうぞ。私のように気づいたら大全集が購入履歴を埋め尽くしている可能性については、責任を持てませんが。最近の漫画まとめ買いの記録は大人になってから大人買いした漫画たちにもまとめています。