『世界一流エンジニアの思考法』を読んで仕事のやり方を見直した話
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「とりあえず試す」を繰り返して夜になっていた私
ITの仕事をして長いのに、私にはずっと抜けない癖がありました。エラーが出たら、とりあえず検索して、出てきた設定変更を試して、ダメならまた次を試す。インフラの障害調査でもスクリプト作成でも、この「手を動かしながら考える」で、気づけば夕方になっている日が何度もありました。動いた瞬間は達成感があるのですが、翌週同じエラーに出会うと、また同じ検索から始まるのです。
そんなタイミングで読んだのが、牛尾剛さんの『世界一流エンジニアの思考法』(文藝春秋)でした。著者は米マイクロソフトでAzureの開発に携わるシニアエンジニアで、「三流の自分が一流の同僚たちの働き方を観察してまねした記録」という立て付けが、まず読み物として面白い本です。
刺さったポイントは3つありました
試行錯誤は「悪」。まず仮説を立てて検証する
いちばん耳が痛かったのがこれです。一流のエンジニアは手当たり次第に試さない。まず事実(ログやデータ)を見て、仮説を立てて、それを確認するために手を動かす。私のやり方はまさに逆で、手を動かしながら仮説を探していました。以前 「論点思考」の読書記録 で「問題設定をせずに動くと時間が溶ける」と書いたのに、日々のトラブル対応では全然できていなかったわけです。
理解に時間をかける。基礎は「急がば回れ」
どんなに優秀な人でも、理解には時間がかかる。だからこそ焦らず基礎から積む、という話にも納得しました。私はコピペで動いたスクリプトを「動いたからヨシ」で放置しがちでしたが、それは理解を後回しにする借金だったのだと思います。
Be Lazy——少ない労力で最大の価値を
「怠惰であれ」というと聞こえが悪いですが、要は、やることを減らして価値の高い仕事に集中するという考え方です。全部やろうとして全部が中途半端になる私には、これも刺さりました。
私の仕事で変えてみたこと
読んだだけでは変わらないので、自分の作業に小さく落とし込みました。
まず障害調査では、**手を動かす前に「仮説を3行メモに書く」**ようにしました。「原因は多分ここ。確認するログはこれ。違ったら次はここ」。書くのに2〜3分かかりますが、闇雲な再起動や設定変更が減って、調査の行き止まりで迷子になる時間が明らかに短くなりました。
スクリプト作業では、書き始める前に処理の流れを日本語で書き出すことと、コピペしたコマンドは1行ずつ「何をしているか」を自分の言葉で説明できるか確かめることをルールにしました。正直、最初は遅くなった気がします。でも一度理解したものは応用が利くので、2回目以降が速い。まさに急がば回れでした。
一流にはなれなくても、まねはできる
この本のいいところは、天才の話ではなく「観察してまねできる習慣」の話であることです。私は米マイクロソフトのエンジニアにはなれませんが、仮説を書いてから手を動かすことは今日からできます。試行錯誤で夜になっていた頃の自分に、そっと渡したい一冊でした。