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『愛…しりそめし頃に…』レビュー|まんが道の続き、トキワ荘の青春後編

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『まんが道』の続きが読みたくて、連日ポチる日々

『まんが道』のレビューで書いたとおり、藤子不二雄Ⓐ先生の自伝的作品にすっかりハマってしまった私は、その続編『愛…しりそめし頃に…』にも手を出しました。2026年7月上旬、1巻を読み終えたその勢いで2巻を購入し、翌日には3巻。読み終えた瞬間に次が買えてしまう電子書籍は、こういうときが本当に危険です。

本作は『まんが道』の物語をそのまま引き継ぐ続編です。単体でも読めなくはないですが、『まんが道』とセットで読む前提の作品だと思ってください。二人がここに至るまでの道のりを知っているかどうかで、感動の深さがまるで違います。

売れ始めた二人と、トキワ荘の仲間たち

舞台は引き続きトキワ荘。仕事が増え、売れ始めた満賀道雄と才野茂が、締め切りと注文の波に揉まれながら漫画家として足場を固めていく時期が描かれます。無名時代の苦しさとはまた別の、「売れ始めたからこその怖さ」があるのが本作の面白いところです。

そして本作の大きな魅力が、トキワ荘の仲間たちの群像劇であることです。のちの石ノ森章太郎や赤塚不二夫といった、日本の漫画史を作る面々が、まだ若者としてワイワイと同じ屋根の下にいる。あの伝説のアパートの日常を覗き見しているような感覚は、ちょっと他の作品では味わえません。

愛…しりそめし頃に… 1(藤子不二雄Ⓐ)
愛…しりそめし頃に… 1(藤子不二雄Ⓐ) 『まんが道』を読み終えたら迷わずこの1巻へ。私は3日で3巻買いました

昭和の漫画黎明期の空気を吸える

読んでいて何より心地よいのが、昭和の漫画黎明期の空気感です。漫画がまだ新しい文化で、描き手も読み手も手探りだった時代。原稿は手描き、連絡は電話と手紙、締め切りに追われて仲間の部屋に駆け込む。不便なはずなのに、ページの端々から熱と体温が伝わってきます。

タイトルに「愛」とあるとおり、若者たちの恋愛や人付き合いの比重が『まんが道』より増しているのも本作らしさです。仕事一色だった青春に、少しずつ人生の彩りが混ざっていく。その変化も含めて、続編として実にうまい作りだと感じました。

巻数が多い作品なので、私のように一気買いすると財布に響きます(電子なので本棚だけは無事です)。まずは1巻だけ読んで、肌に合うか確かめてから揃えるのが安全です(私は確かめる前に3冊買いましたが)。

まとめ:まんが道とセットで、青春を最後まで

『愛…しりそめし頃に…』は、『まんが道』という長い青春の物語の後編です。未読の方はまず『まんが道』から、そしてF先生側の作品世界はSF短編にどハマりした話からどうぞ。作品と作者の人生を行き来する読書は、本当に贅沢な時間です。私も4巻以降を追いかけます。