『話を聞かない男、地図が読めない女』を夫婦で話すきっかけに読みました
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「寝そう?」で子どもが起きる、我が家の定番喧嘩
子育て中の夫婦は、悪気ゼロでもすれ違います。我が家の定番は、どちらかが寝かしつけをしているときに、もう1人が「寝そう?」と様子を見に来て、その気配で子どもが起きてしまうやつです。「寝かけてたのにー!」の一瞬の喧嘩。以前 1歳児の看病日記 にも書いた、我が家の伝統芸です。
冷静に考えれば、見に来るほうは「進捗が気になる+交代しようか迷っている」だけなんですよね。でも寝かしつけている側からすれば「あと1分待てなかったのか」となる。お互い善意なのに衝突する。この構造をなんとかしたくて、今さらながらあの定番書を読みました。『新装版 話を聞かない男、地図が読めない女』です。
20年以上前のベストセラーを今読んだ理由
この本、世界的ベストセラーとして有名ですが、私はタイトルだけ知っていて未読でした。読もうと思ったのは、夫婦喧嘩のたびに「同じ場面を見ているのに、受け取り方が全然違う」と感じることが増えたからです。中身は「男女で脳の使い方が違い、コミュニケーションのスタイルも違う」という主張を、豊富なエピソードで畳みかけてくる構成。読み物としては抜群に面白く、「あるある」と笑ってしまう場面が何度もありました。
ただし「男女で脳が違う」説は、うのみにしない
先に大事な留保を書いておきます。「男女で脳の使い方が生まれつき違う」という主張には、科学的には賛否があります。この本の元になった知見は古いものも多く、近年は「性差より個人差のほうがずっと大きい」という指摘も一般的です。なので私は、この本を「男女の取扱説明書」としてではなく、エピソード集として読みました。「男だから」「女だから」を根拠に相手を分類し始めると、それはそれで新しいすれ違いを生むと思うからです。
効いたのは「相手は自分と同じようには考えていないかも」という前提
それでも読んでよかったと思うのは、「目の前の相手は、自分と同じようには考えていないかもしれない」という前提が夫婦の間に一つ増えたことです。
冒頭の「寝そう?」事件でいえば、私は「見に来る=邪魔」と解釈していましたが、相手からすれば「心配して様子を見た+交代の準備」でした。本を読んだあと、我が家では「寝かしつけ中はLINEで進捗を送る。ドアは開けない」という運用に変わりました。ルール自体は些細ですが、「解釈が違うのが普通」という前提ができたことで、喧嘩の着火点が一つ減ったのは確かです。
相手に押し付けず、自分の見直しに使う
この手の本のいちばん危ない使い方は、パートナーに「ほら、本にもこう書いてあるよ」とやることだと思います。それは説得ではなくただの攻撃です。私は逆に、自分の聞き方・言い方を見直す材料としてだけ使うことにしました。「私の伝え方は、相手の受け取り方に合っていたか?」と一拍置く。夫婦円満の特効薬ではありませんが、寝不足の子育て期に会話を少し優しくする補助輪としては、20年選手の定番書もまだ現役だと感じました。