「やをらびん」で検索しても自分のブログが出てこない|造語のサイト名が検索エンジンに認識されるまで
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ある朝、スマホで「やをらびん」と検索してみました。自分のブログの名前です。移行してからしばらく経ったし、そろそろ上に出てくるだろうと思って。
結果は、出てきませんでした。それどころか、Googleの「AIによる概要」がこう教えてくれました。
言葉の由来としては正解です。「やをら」は古語で「そっと、静かに動き出す」、それに「便り」の「びん」をつけた造語がこのブログの名前です。ただ、Googleはこの言葉がブログの名前だということを知らなかった。検索結果の1位は、静岡の和菓子屋さんでした。
まず、本当に誰も検索していないのか
落ち込む前に数字を見ました。Search Consoleで過去3か月の検索クエリを全部出して、「やをらびん」「やおらびん」「vynsen」「びんせん」を探します。
ゼロ件でした。89種類のクエリがあって、サイト名を含むものは1つもありません。
これで話が変わりました。「検索されているのに順位が低い」のではなく、そもそも誰も検索していない。順位の問題ではなく、認知の問題です。自分で検索して出てこないのは当然で、Googleにとって「やをらびん」は、まだどこにも結びついていない4文字の並びでした。
サイト側に足りなかったもの
とはいえ、サイト側で改善できることがあるなら知っておきたい。自分のサイトのソースを読み直して、3つ見つけました。
トップページのh1にサイト名が入っていない。h1は「実体験しか、書かない。」というキャッチコピーで、「やをらびん」は別の段落に小さく置いてありました。検索エンジンにとって、ページが何について書いているかを示すいちばん強い見出しに、肝心の名前がない状態です。
構造化データが最小限。トップページには WebSite の構造化データを入れてありましたが、名前とURLだけ。「やおらびん」「yaorabin」といった表記ゆれを alternateName で教えることも、運営者を Person として紐づけることもしていませんでした。
記事本文のどこにも名前が出てこない。ブログ名が出てくるのは、ヘッダーとプロフィールページだけ。記事を書くとき、わざわざ自分のブログ名は書きませんから当然なのですが、Googleから見れば「このサイト内でもほとんど言及されていない言葉」です。
でも、本当の原因はサイトの外にある
ここまで調べて、正直に書くと、サイト側の修正では解決しないと思いました。
Googleが「やをらびん」をブログの名前だと認識するには、サイトの外でその言葉がそう使われている必要があります。他のサイトからのリンク、SNSでの言及、どこかで「やをらびんというブログに書いてあった」と引用されること。そういう外部の信号が積み上がって初めて、Googleの中で「やをらびん=vynsen.netのブログ」という結びつきができます。
造語というのは、ここが大変です。「静岡 子育てブログ」のような一般語の組み合わせなら、既存の意味の上に乗れる。でも「やをらびん」は、Googleの辞書のどこにも載っていない。意味は、自分で世の中に流通させるしかありません。
和菓子屋さんが1位だったのも、考えてみれば当然でした。何十年も営業していて、看板があって、口コミがあって、地図に載っている。実在の証拠がそこら中にあります。3か月前にできたばかりの造語が、それに勝てるわけがない。
「気にしない」と決めた理由
で、どうしたか。気にしないことにしました。
理由は、実際にブログを支えているのが指名検索ではないからです。Search Consoleで表示回数が多いのは「ローソンアゴヒゲトカゲ 寿命」「在外公館派遣員 落ちた」「dbeaver insert」といった、記事の中身そのものを探しているクエリでした。読者はブログの名前を知らなくても、困りごとを検索して、たまたまここにたどり着いて、読んでくれています。
指名検索というのは、結果であって原因ではありません。記事が役に立って、覚えてもらえて、「あのブログもう一回見たいな」と思った人が、名前を思い出して打ち込む。その順番です。名前を先に認識させようとしても、中身がなければ意味がない。
造語のブログ名を選んだ人へ
もし同じように、意味のない造語や古語をブログ名にして「検索しても出てこない」と悩んでいたら、まずSearch Consoleでそのクエリが本当に存在するか確認してみてください。たぶん、ゼロです。
そしてそれは、ブログの名前が悪いのではなく、まだ誰にも覚えられていないだけです。名前が検索されるようになるころには、きっと記事のほうがとっくに読まれています。
私は「やをらびん」という名前が気に入っているので、変えるつもりはありません。いつかこの記事を読み返して「今は出てくるようになった」と追記できたら嬉しいです。